イジングモデルのアニメーションを眺めていたら、、、

昨日書いた三次元のイジンモデルのアニメーションを眺めていたら奇妙なことに気がついた。

平衡状態になるのを待たずbetaを大きくしていく(温度を下げていく)と、 途中で上向きと下向きのスピンの相に分かれてしまいそのまま定常状態になってしまうのだ。

何が不思議かというと、

熱・統計力学によれば絶対零度では、エネルギー最小の基底状態が実現される。
イジンモデルは、スピンが全て揃ったときにエネルギーが最小になるから、
だからbetaを大きくした極限ではスピンが全て揃っていてほしい。

スピンが上の相と下の相が共存するのはこれに矛盾している。

そういうわけで昨日布団の中でボーっと考えてた。
最初は僕の書いたプログラムに不具合があったのだと思ったのだけど、
冷静に考えると、相が平面で綺麗に分かれている状態で急冷するとそれ以上時間発展しなくなることに気がついた。

理由は以下の通り。

今、相が分かれている状態で急冷し絶対零度に持ちこんだとしよう。
メトロポリス法のアルゴリズムでは絶対零度で、全体のエネルギーを上げる遷移が禁止される。
このとき相に隣接するスピンを反転させると、必ずエネルギーが上がる。よってこの遷移は実現されない。

でにこの理由だとメトロポリス法に固有の現象に見えるけどどうなんだろう。
メトロポリス法が非平衡状態のイジングモデルをきちんとシュミレーションできているのかどうかも自明じゃ無いわけで。

同年7/27追記

動画のアップロードの仕方が分かったのでのっけてみた。
時間無かったのでやっつけ感が半端無い(^^)